イナフマガジン

イナフハウスの現場から①

現場監督×大工のクロストーク 前編

住み手の「ふつう」に寄り添い、快適に、豊かに過ごせる家づくりをコンセプトとするイナフハウス。今回は、第一弾モデルハウスを手がけた現場のキーパーソン、現場監督の酒口大聖さんと、職人を代表して大工の山本一貴さんが、イナフハウスの魅力と家づくりへの情熱を語り尽くします。

モデルハウスで特にこだわった点から、現場ならではの苦労、ふたりならイナフハウスでどう暮らす?まで、普段なかなか聞けない作り手の本音が満載のクロストーク。

今回は前編をお届けします。

規格住宅だけど自由度が高く、余白がある。作り手にとっても心躍る現場。

大きく開いた吹き抜けから陽光が注ぐLDK。床は無垢のナラ材、リビングの天井やキッチンのカウンター収納などの造作にはシナ材の合板を使用し、シンプルながら自然素材のぬくもりを感じられます。

―今回は、イナフハウスの記念すべき1棟目となるモデルハウス託されたおふたりにご登場いただきます。まず、イナフハウスの家づくりにどんな印象を持ちましたか?

(写真)株式会社NEUBAU(ノイバウ)の山本一貴さん。大工としてイナフハウスの家づくりに携わっています。

山本:大工としてこれまで様々な家づくりに携わってきましたが、イナフハウスは今までとひと味違ったこだわりが多いなと感じました。使用する材料もこれまでとは全然違うなと。いい意味で、現場で考えることが増えましたね。

(写真)コウテイ建設株式会社で工務主任を務める酒口大聖さん(右)。現場監督として全体の指揮をとっています。

酒口:先ほど山本さんがおっしゃったように、僕も今までに携わったことがないような家でした。まず、建築家さんが引いた図面を読み取ることからスタートして、細かな部分をどう具現化していくか。山本さんと相談しながら進めていきました。

―こちらのモデルハウスに関しては、どんな流れで進めていかれましたか?

(写真)植物が似合う家をコンセプトに、自然素材で構成された邸内。照明レールも植物を吊るすスペースとして活躍。向かって左側には中庭が開けています。中庭は玄関とリビングに面し、邸内に光と抜け感をもたらします。

酒口:基本的には、まず僕の方が図面を見て、噛み砕いた上で山本さんに相談しました。ただ細かいおさまりの部分については山本さんの方が熟知されているので、「ここはこうしたほうがいいよ」「こっちのほうがやっぱりいいよね」っていうやりとりを重ねながらでしたね。今回はキッチンや水まわりにタイルを使用しましたので、大工さんだけでなくタイル屋さんとも現場で打ち合わせをして、ミリ単位の寸法を確認させてもらいました。

山本:造作や素材の使い方も特徴的ですよね。とくにシンプルなシナ材の合板を造作の家具や建具に多用していますが、現代の住まいで見える部分にシナを使うことってなかなかないんです。棚板としてはよく使うのですが、造作の家具として使うことはあまりないので。昔の家ではよく使われていたシナを現代風にアレンジしているのはイナフハウスならではじゃないかなと思います。造作って、やはり既製品にはない味わいがありますよね。

―作り手として、ここを見てほしい!というポイントを教えてください

山本:まず、全体的にクギやネジなどの金物が見えないように工夫したところですね。板と板の接合部分をネジなどで固定した上に、ダボ栓という木で作った栓をして、金物を隠すんです。これは昔から日本にある手法で、仕上がりを綺麗に見せるためのアイデアです。

(写真)スケルトン階段にすることで空間の抜けを演出。強度を高めるため、階段の柱は2枚の板を合わせています。釘をダボ栓で隠すことで美しく仕上げました。

酒口:階段にもこの手法が多用されていますよね。階段は、最初に図面で確認したときは過重の面で少し心許ないかなというところが多少あったので、そこを山本さんと相談しつつ、おさまりなどはおまかせしました。

山本:階段って人が上り下りする場所なので、過重が結構かかっているんですよ。しかも今回の階段はスケルトンタイプなので、どうすればデザインを損なわずに丈夫に仕上げられるか。どれだけ長く安心して住んでもらえるように保たせるか。そこに気を遣いました。

酒口:細かな部分については、現場の判断で進めていきましたね。

(写真)シナ合板で造作したキッチン。背面収納は住み手が自由にアレンジできるよう可動棚で整えました。窓枠の下部も木材にし、植物や雑貨の似合う空間に。サイドの有孔ボードも便利です。

山本:キッチンの造作に関しては、強度をそこまで気にする箇所ではないので、デザイン先行で仕上げていきました。とくにカウンターはよく目につくところなので、天板には釘を使用せず、一枚板のように見せる工夫をしました。キッチンのタイルの割り付けも、酒口くんと相談しながら。

酒口:キッチンのIHヒーターの前のカウンターはタイルにして、熱い鍋も置けるようにしています。建築家の要望を満たすことは大前提としつつ、現場でも二人で密に相談し、臨機応変に対応していきましたよね。

山本:キッチンカウンターもシナ材で統一したことでシンプルで整った感じがしますが、これも生かし方なんですね。決して高い素材ではないのですが、自然のものを使うことによって素材感が出るんです。

後編に続きます!お楽しみに。

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