2024年4月の記事(1件)
マガジントップ >インタビュー①イナフハウス代表 西原大地氏
2024.04.23 UP
–最初に、「イナフハウス」立ち上げのきっかけを教えてください。
長くハウスメーカーで営業として働いていた時、規格やルールが綿密に決められていて、お客さまに対して思うような提案ができないと感じることがよくありした。本来家づくりとは、お客さまのニーズに合わせて自由に色々な提案ができることが理想なはずなのに、コストダウンが優先されて仕入れが安いメーカーに限定されてしまっていたり、効率重視で、図面作成の手間を省けるような仕組みが重視されたり。結果、どこのハウスメーカーからも似たり寄ったりなものが提供されているという印象がありました。 それに、安さや手軽さ重視で規格住宅を選ぶか、こだわり重視で注文住宅にするか、家の建て方の選択肢もまだまだ二極化してしまっています。しかし、家族とずっと住む家を、こだわりを持ってつくりたいとは思うけれど、設計士と直接話せるほど具体的なイメージがあるわけではない、というお客さまもたくさんいらっしゃると思うんです。そんな方をターゲットに、家づくりの新たな選択肢を提供できたらと思い、「イナフハウス」を立ち上げました。
–「イナフハウス」で大切にしていることは何ですか?
「イナフハウス」のつくり手として大切にしたいことの一つは、「ひと手間」です。ひと工夫することで居心地がより良くなったり、暮らしが豊かになると考えられるところに、あえて少しの時間をかけてオリジナルの要素を取り入れています。一般的に規格住宅は、既製品を使うことがほとんどですが、「イナフハウス」は、既製品も活かしつつ、自社オリジナルのデザインや造作を加えることで、もっと自由でオンリーワン感のある規格住宅を目指しています。
–規格住宅だけど、オリジナルの要素にこだわっているということですね。イナフハウスのユニークなところはどんなところなのでしょうか?
例えば、毎日使う洗面スペースって、家族構成やライフスタイルによって、ベストな形がかなり変わると思うんです。洗面スペースの広さ、脱衣スペースの割合、収納スペースのサイズ感によって、洗面所でできることは大きく変わってきます。例えば最近では、衣類の洗濯から乾燥、収納まで全て脱衣スペースで完結させるというスタイルもありますよね。毎日必ず一度は使うこの場所がどのような使われ方をするのか、住む人のスタイルに合わせて建築士が検証を重ね、細やかに設計した三つのパターンから選択できるんです。 一般的な規格住宅では、鏡とシンクと棚が一体化している既製の独立洗面台が採用されていることが多いのですが、「イナフハウス」では、シンクのみ既製品を使用し、鏡や照明、棚はオリジナルで特注したり造作したりしています。こんなふうに、クオリティオブライフを左右すると考えられるポイントで、「オリジナルの設計」が施され、かつ、幾つかのパターンから「選ぶことができる」という点がユニークなところの一つです。
