イナフハウスの現場から / コーディネーター②
2025.12.06 UP

インテリアコーディネーター・橋本さんインタビュー《後編》
“ちょうどいい”暮らしを、心地よく整える工夫。
この家で特に気に入っている、おすすめポイントを教えてください。
橋本: 2階ホールのヌックです。ベンチに腰かけて外の景色を眺めることができます。階段を上がった先に“ちょっと一息つける場所”があると、毎日の暮らしにゆとりが生まれます。木の質感や光の入り方もやさしくて、この家らしいやすらぎを感じますね。
また、造作ボードには、あえてS字フックを掛けられるようにしました。用途を決めすぎず、家族それぞれの使い方ができるようにしたくて。例えば、家族写真やドライフラワーを吊ると季節感が出ますし、よく使うバッグや帽子を掛けても便利です。キッチン横なら調理ツールや布巾、お弁当袋や巾着を掛けてもいい。生活の中で“飾る”と“使う”を自由に行き来できる場所です。

暮らしのシーンを自然に想像できますね。
橋本: そうなんです。決まりをつくりすぎないことが、暮らしを楽しむコツだと思っています。収納もインテリアも、住み手の“ふつう”の中で変化していくのがいい。この家では、余白を残すことで、住む人が自分らしく整えていけるよう意識しました。

最後に、この家を訪れる方に伝えたいことはありますか?
ぜひ“質感”を感じてほしいです。素材のあたたかさや光の入り方、家具や造作の手ざわり。写真では伝わらない部分に、この家の心地よさが詰まっています。どこか懐かしくて、ほっとする。そんな“特別なふつう”を、実際に体感してもらえたらうれしいです。